瀬川研究室は、センサネットワークを基盤とし、多岐にわたる実践的な研究に取り組んでいます。研究室の大きな目標は、センサーで収集した情報を通じて現実社会の動きを分析し、「あったらいいな」を解決する新しい技術やシステムを創造することです。
瀬川研究室は、センサー、ネットワーク、そして伝統技術や新しいアイデアを掛け合わせることで、環境モニタリングからエンターテイメント、宇宙産業まで、非常に幅広い分野での社会貢献を目指している研究室です。
具体的には、以下のようなテーマを扱っています。
主な研究内容
1. 狭帯域スペクトル拡散通信(MAD-SS)
「MAD-SS」は「スペクトラム拡散 (spectrum spreading)」を用いた通信方式の一種です。低電力で長距離通信を可能にするものとして研究されており、災害時の通信やセンサー・ネットワークなどでの応用を行ってきました。
2. 野生動物の行動分析
GPSや各種センサーを野生動物(例:カラス、ツキノワグマ)に取り付け、その行動を追跡・分析する研究を行ってきました。これにより、動物の生態を理解するだけでなく、人間社会との関わり(例:ゴミの投棄場所の特定)を探ることも目指しています。
3. 多様なセンシング技術の応用
- 超低周波音(Infrasound)センサーの活用: 通常は聞こえない低い低周波数を活用して、センサネットワークの構築を行いました。
4. e-テキスタイルとIoTの融合
日本の伝統的な織物技術(ジャガード織りや西陣織)と金属箔を組み合わせ、布自体に電子回路を形成する「e-テキスタイル」を開発しています。この布にセンサーや電子部品を直接実装することで、衣服や布製品がIoTデバイスとして機能する新しいシステムの構築を目指しています。
5. エンターテイメントコンピューティング
AR(拡張現実)技術とセンサーを組み合わせてドラム演奏を補助するシステムなど、人々の楽しみを広げるための研究開発も行っています。
6. 宇宙産業への貢献
宇宙開発で使用される電子機器の検査装置の開発など、最先端の産業分野への応用も視野に入れた研究を展開しています。
瀬川典久の略歴は、こちらから。